バフティヤーリー族の音楽

バフティヤーリー族の音楽

バフティヤーリー地域に居住する人々は、イラン系の純血の昔の民族の一つで、イランの人口の一番多い遊牧民社会となっている。イランの一般の区画によるとバフティヤーリー地域にはチャハール＝マハール・バフティヤーリー州、コフギールーイェ・ブーイェル＝アフマド州、エスファハーン州、ファールス州、ロレスターン州、フーゼスターン州の6つの州が含まれる。この広い地域には様々な種類の音楽があり、隣の地域の音楽の影響により自分の特徴を有している。バフティヤーリー族の音楽の演奏家は、トゥショマールと呼ばれている。トゥショマールはバフティヤーリー族の文化と音楽の守りに大きな役割を果たし、その伝統音楽を世代から世代へと受け継がせていく。トゥショマールはソルナー(木管楽器の一種)、キャルナー(木管楽器の一種)、ドホル(両面太鼓の一種)、時々ネイ(木管楽器の一種)、キャマーンチェ(擦弦楽器の一種)などの楽器を奏で、めったに歌わない。

バフティヤーリー族の音楽には大きく分けて4つの種類がある。まず始めには結婚式などの祝祭の音楽で、歌と自由なリズムの歌であるアーヴァーズとなる。二つ目は、葬式の音楽で、ガーゲルヨーとコタル式となる。ガーゲルヨーではもがりの歌を独唱と合唱で歌う。悲しいコタル式の音楽を演奏するための楽器は、ソルナーとドホルである。三つ目は、労働の音楽で代表的な労働歌がマシュケ・ドゥーグ(皮のドゥーグ袋)、バルズギャリー(農業)、ホラヘーイ、サルクーヒーなどとなる。4つ目は英雄的音楽で、フェルドウスィーの英雄物語やシャーナーメ・王書を読むことが代表的である。

バフティヤーリー地方の用いられる主な楽器は、キャルナー、ソルナー、ネイ、ドホル、ダーイエレ(フレームドラムの一種)、キャマーンチェなどがある。