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建築:ペルシア式庭園

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建築:ペルシア式庭園

ペルシャ語で庭園を意味する「バーグ」という単語は、マニ文字では「b`w」、パフラヴィー語では「bāg」というそうだが、これとゾロアスター教の経典である『アヴェスター』に出てくる単語の「bāgā」と梵語の「bhāga」とは類語で、「所有物の一部」を意味する。バーグは、壁で囲まれた空間で、花・草木を植えたり、池や世界観や宗教観を投影する幾何学的な建築物を作ったりなど、人工的に整備された施設である。

紀元前3千年紀始め以降、エジプト、シューメル、アッシリア、バビロンでは王宮の庭園(例えばバビロンの空中庭園)、メソポタミアでは寺院の庭園が作られるようになった。

古代ギリシャ人は、神殿や競技場の周辺を美しくするために樹木を植えたり、庭園を作った。ローマ人も楽しむための庭園、住宅と一体化された庭園などの庭園を作られていた。

ペルシア式庭園の起源は、アケメネス朝キュロス2世によって建設された、当時のペルシャ帝国の首都でパサルガダエに遡ることができる。

主な防衛施設がなかったパサルガダエは、宮殿などの建物が「パラダイス」と呼ばれる王室の庭園内にあり、その周りに水路と池が設けられたことであった。パサルガダエの庭園は、王宮の玉座の間に面して長方形の庭園が設けられていた。庭園の形式は,四方に流れる水路が庭を四分割する幾何学的な四分庭園が成立した。チャハールバーグと呼ばれる、ペルシア式庭園及びイスラーム庭園を代表する形式である幾何学的な四分庭園は、パサルガダエ庭園で初めて実現された。

伝統的なペルシア式庭園の種類・様式は、「平面庭園及び柔らかい斜面庭園」、「傾斜面の庭園」、「地形に沿った庭園」3つに大きく分類される。

  1. 平面庭園及び柔らかい斜面庭園を代表するのは、カーシャーンにあるフィン庭園である。
  2. 傾斜面の庭園は、主な水路、噴水、遊歩道を中心に、丘の上また傾斜のある場所に必要な空間や建物が造られ、丘の下の方には、美しい景観が作り出される。主な建物も庭園の上の部分の奥に作られる。傾斜面の庭園において、最古のはシーラーズのバーゲ・タフトで、イスファハーンのへザール・ジャリーブ庭園は、代表的な庭園であった。
  3. 地形に沿った庭園は、古代庭園と多数の類似点があり、その土地の環境と一体になった庭園である。代表的のはベフシャフルのアッバースアーバード庭園(サファヴィー朝)である。

ペルシア式庭園で、長方形の庭園は最も一般的で、設計は、交差軸よりも1軸長く伸びることがある。ペルシア式庭園は、壁で囲まれた空間で、カーシャーンのフィーン庭園のような城壁に取り巻かれる例もある。一般、主な湯歩道に面した所に作られた庭園の門は、所有者の財力を表すものであった。遊歩道の設計は、庭園の面積と建物の数によるものだった。

ペルシア式庭園の一番目大きな特徴は、四方に流れる水路が庭を四分割するチャハル・バーグと宮殿、別荘、テラスなどの建物の建設とのことである。ある庭園において、在所の建物は公共建物と私有の建物に分けられる。その代表例が、シーラーズのエラム庭園である。

ペルシャ庭園をつくる一番目の要素は、水で、次の要素は木である。ペルシア式庭園において、かなり広い花壇で果樹を植えたり、果樹を植える場所は、木の花の色や花咲などによって定められる。またペルシア式庭園の他の種類として多くのナーレンジ・オレンジの木が植えられている庭園・ナーレンジェスターン、地面より低いところに作られるゴウダール・チャール、家庭の庭などがある。

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