エスファハーンのジャーメ・モスク

エスファハーンのジャーメ・モスク

エスファハーンのジャーメ・モスクは、エスファハーンで最も古い遺跡で、セルジューク朝(1038年-1194年)時代に建てられた中低に面した四つのイーワーンがあるモスクの代表的な例である。最初期のモスクの形態は、777年に建築された多柱式のモスクであった。840年に古典的なモスクが破壊され、新しく大きなモスクが建築された。ブワイフ朝(932年-1062年)の時代になると、中庭に面した部分が最新の装飾技法を用いた焼き煉瓦で作り直され、建物の大幅な拡張が行われた。

南のドームは1086年から1087年にかけてセルジューク朝第3代スルタンのマリク・シャーとその宰相ニザーム・アル=ムルクによって建てられたもので、その後、南のイーワーンが加えた。北のドームは、1090年にタージュルモルクによって建てられ、このドームが卵のような形と意味であるハーギーと呼ばれる。

４イーワーンは、同時に建設されたのではなく、南、東、西、北の順に作られた。北のイーワーンはソッフェ・ダルヴィーシュ(放浪者)、西のイーワーンはソッフェ・オスタード(先生)、東のイーワーンはソッフェ・シャーゲルド(学生)と知られている。南のイーワーンの両側に位置するシャベスターン(礼拝所)は、セルジューク朝時代に煉瓦積みによる装飾された。北のイーワーンの両側に位置するシャベスターンと北のイーワーンとハーギー・ドームの間に位置するシャベスターンもセルジューク朝時代に建てられた。ムザッファル朝(1314年-1358年)時代に、東のイーワーンの北方にシャベスターンと東方に学院などの重要な箇所設けられた。

エスファハーンのジャーメ・モスクのシャベスターンに計470個ヴォールトがある。聖龕（ミヒラーブ）はサファヴィー朝時代、ムザッファル朝時代、イルハン朝時代のものなどが各所に計10箇所設けられている。2万正方メートル以上の面積を持つこのモスクは、イラン中最も広いモスクである。中庭の中に位置する池の上に建てられた正方形の建物は、サファヴィー朝(1501年-1736年)の第5代シャーアッバース1世によって建てられたものである。全部の彩釉タイルによって装飾は、サファヴィー朝時代のもので、7色のタイルでの装飾やサファヴィー朝時代の書道家や芸術家に書かれた碑文や漆喰による装飾などがこのモスクの建築の類がない特徴である。