建築:バザール(市場)
建築:バザール(市場)
語源としては食物の取引場所の意味であるアバザールから来ておる。中世ペルシア語の一つパフラヴィー語でヴァーキャールと呼ばれ、「取引と集まりの場所」が原意であった。バザールは、ハンマーム(浴場)や学校やモスクや宗教施設やサッガー・ハーネ(公共の水飲み場)やズール・ハーネ(イランの古式体操を行うクラブ)やアーブ・アンバール(伝統的な貯水施設)や喫茶店などの公共の建造物群の一部をなしている。
空間的な視点からバザールの空間を大きく二つに分けることが出来る。1) 通路の両側には間口、奥行きともに狭い小さな店がぎっしりと並んでいるラーステ(まっすぐなバザール)或いはクイ、2)広い広場。ある人々は数多くのアーケードや小さなバザールを設けており、それぞれが独自の品物を扱っている。このバザールの傍らには、モスクや神学校、預言者一門を祀るイマームザーデの他、公共の水のみ場や公衆浴場、隊商宿、喫茶店などがある。そのため、バザールはこれらが合わさって一つの集合体を生じさせておる。
バザールの要素:
バザールの空間は、第一次の要素と第二次の要素からなる。第一次の要素は、交易の本質に関わるラーステや商店、キャラバンサライ(隊商のための取り引きや宿泊施設)、アーケード、バザールの中の四辻、店舗などがある。第二次の要素は、バザールのニーズを満たすハンマーム(浴場)や学校やモスクや宗教施設やサッガー・ハーネ(公共の水飲み場)やズール・ハーネ(イランの古式体操を行うクラブ)やアーブ・アンバール(伝統的な貯水施設)や喫茶店などの公共施設である。
バザールの建築には、社会の伝統とマナーが重要な役割を果たし、煉瓦や漆喰や石灰や石(ファールス州南部のラール市に位置するバザール・ゲイサリーイェ)などの地元の原材料が使用される。バザールの入り口の建築には、釉薬タイルにより装飾、ムカルナスと呼ばれる漆喰で密な彫刻、煉瓦積みにより装飾、壁と天井を飾るカリグラフィーなどの装飾が見ることができる。バザールは、屋根を持つ歩廊式の建物内(屋根がついた幅4~6メートル通り)の両側に商店や工房が並ぶ方式が一般的である。
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