建築:ティームチェ(アーケード)
建築:ティームチェ(アーケード)
バザールの規模が非常に大きいことから、メインのバザール(ラーステ)から分かれた数多くの小さなバザールがある。建築の視点からラーステに似ているこの小さなバザールがティームチェと呼ばれる。殆どのティームチェは屋根のある狭い通りで、大きなドームや漆喰により装飾や木工により装飾などがあり、イランのバザールの美しい部分の一つである。
ある研究者の考えでは、ティームがキャラバンサライ(隊商のための取り引きや宿泊施設)という意味で、ティームチェが小さなティームつまり小さなキャラバンサライという意味であった。しかし現今、ティームチェは屋根のあるキャラバンサライあるいは屋根のある書店街という意味である。ティームチェは、商業の中心地になる商店が並ぶ広場を意味するペルシア語の言葉である。
ティームチェは屋根のある小さなバザールで、それが独自の品物を扱う行き止まりの道路である。各ティームチェは池のある屋根付き中廷があり、その中廷の周りの建物は二、三階建てになっていて、中廷の内部に光を取り入れたり、空気を入れ替えたりするためにドームに小さな窓が作られておる。各商店は一人の卸売商人のもので、この卸売商人に従って名前がつくられていることが一般的である。一方ではティームチェがメインバザール(ラーステ)に面し、他方ではキャラバンサライ施設への小さな入り口が開かれている。キャラバンサライはティームチェの卸売商人の事務所や倉庫にも使われる。ティームチェは外観から大きく二つに分けられる:1)屋根のあるティームチェ、2)屋根がないティームチェ。
屋根のあるティームチェは、建て方という点で多くの類似点を共有する。屋根がないティームチェは数が少ないで、建て方という点でサファヴィー朝(1501年‐1736年)時代から残ったキャラバンサライから発展した建物である。ティームチェはデザインの視点から概して正方形、長方形、円形、長円形、六角形、八角形の6つの形を持つ。その原材料も煉瓦である。
ゴム、テヘラン、タブリーズのモザッファリーのティームは、イランの代表的なティームで、テヘランのティームチェ・ハージェボッドゥレとカーシャーンのティームチェ・アミーニーはイランの代表的なティームチェである。
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