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ハーフェズ

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ハーフェズ(1326年-1390年)

ハージェ・シャムスッディーン・ムハンマド・シーラーズィー、通称ハーフェズは、神秘のしたの雅号を与えられ、ペルシア文学史上、叙情詩の最高詩人と評され、イランの歴史上で才能に恵まれた稀有な人物である。幼少期のハーフェズは、イラン式私塾であるマクタブ・ハーネで聖クルアーンの大部分の章を暗誦でき、ハーフェズの100年ほど前に生きた同級の詩人サアディーが著した『薔薇園』(ペルシア語でゴレスターン)を何回読んだ。そして詩作を始めた。九歳のとき、聖クルアーンの全114章すべて暗誦できたので、聖クルアーンの全114章すべて暗誦できる者の意味があるハーフェズと呼ばれるようになった。その後、学問を求める人の列に入った。

ハーフェズは、イスラーム法学とペルシア文学に加えて、アラビア語とアラビア文学の二つの分野において研究活動に従事し、彼の詩集によると天文学と音楽をも知っている。フェルドウスィー(934年‐1025年)、ニザーミー(1141年‐1209年)、サアディー(1210年‐1292年)、ハージュイェ・ケルマーニー(1290年-1349年)、キャマール・ホジャンディー(1321年-1400年)などの有名な詩人の詩を享受した。またアブル・タイーブ・ムタナッビー(915年-965年)、アブファラース(932年-968年)、アブアァラー・モアァッリー(973年-1058年)などのアラビア詩人の詩を享受した。その中で他より、始めにハージュイェ・ケルマーニー、次いでサアディーの詩を享受した。それにも拘らず、ハーフェズの詩は、叙情詩の表現を極致に達せしめるために他の詩より優れている。ハーフェズは多くの表現技法を使用し、あらゆる主題をこれらの表現技法で表現することに成功した。また微妙な意義、単語、文語、解釈、表現技法などを均整の取れた関係で使用したことで、ペルシア語の詩の優美さを奇跡の領土に至るまで高めた。

ハーフェズ詩には、詩と音楽のリズムの完全な一致が見られ、様々な旋律のリズムの元になった音律に関しては、様々な提唱されているが、いずれにせよ、ハーフェズ詩の音律も基本となっているのは、定説とされている。ハーフェズ詩の最大の特色は、すべての詩を象徴的手法によって作詩したことで、殆どの人は詩の真意を分からず、自分の視点から解釈している。

ハーフェズはガザルの最高詩人と評され、名がガザル形式の抒情詩でよく知られている。作品は、5のガスィーデ(ペルシア語の詩形の一種)、ガザル集、「野生のカモシカ」という短いマスナヴィー(ペルシア語の詩形の一種)からなる『ハーフェズ詩集』(ディーワーン)、『サーギー・ナーメ』、『モガッタアァート(短い詩集)』、『ルバイヤート』となる。

『ハーフェズ詩集』(ディーワーン)は、過去の六世紀間に他の詩人の作品より多くの写本が作られており、その写本がイランを初めインド、アフガニスタン、パキスタン、トルコなどの国の図書館に収蔵されている。イランを含む東洋に印刷技術が輸入された後、『ハーフェズ詩集』(ディーワーン)は最も印刷されたペルシア語の本である。

『ハーフェズ詩集』は故地イランのみならず各国で翻訳され出版されている(最低28の言語へ)。またイラン作家と外国作家がハーフェズと彼の作品にめぐり書いた多数の書籍が刊行された。ハーフェズの作品は、世界の多くの人々を魅力しているが、中でもインド方面において、非常に愛される作品の一つである。ハーフェズは、私たちに語りかけているだけでなく、私たちの側からも語りかける。ハーフェズは、結ばれた神秘主義者(アァーレフ)も完全なイスラーム神秘主義托鉢僧もないが、レンドである。この「レンド」という語については、従来「遊蕩児、放蕩児」その意味はかなり広くかつ一言ではな言い表せない含みがある。

ドイツの世界的な詩人ゲーテは、『ハーフェズ詩集』の影響により、『西東詩集』(1819)を書き、ハーフェズをほめる第二章を「ハーフェズ書」とした。ロシア近代文学の嚆矢とされる大詩人アレクサンドル・プーシキン(1799年‐1837年)は、ハーフェズに魅せられる偉人の一人で、ペルシア語を分からず、ゲーテの『西東詩集』を通して、ハーフェズとその思想を知るために努力した。彼は、ゲーテのようにハーフェズの作品に秘められたメッセージを受け取った。プーシキンは、自分の辿り着いた思想を「ハーフェズから」と題するほど、ハーフェズに憧れた。

ハーフェズは、1390年、シーラーズで亡くなった。毎年10月12日にあたるイラン暦メフル月20日は、14世紀のイランの詩人、ハーフェズの日で、この日に際し、シーラーズにあるハーフェズの霊廟に集まるイラン人・外国人の研究者や芸術者やハーフェズに関心がある人々などによる文学の会合や詩を読む会が開かれている。

ハーフェズ

(1326年-1390年)

Islamic Culture and Communication Organizationは、文化イスラム指導省に所属するイランの組織の1つです。 1995年に設立されました。[]

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