文学
古代イランの文献としては、ゾロアスター教、仏教、マニ教、キリスト教の宗教施設による編纂されたものなどがあり、その文献は、イスラーム以前のペルシア文学の主な部分をなしている。イスラーム以前のイランでは、文学・宗教の作品が文字によらず、口頭のみで後世に伝えられていた。ゾロアスター教の聖典『アベスタ』も口頭で後世に伝えられた後、サーサーン朝(224年-651年)時代に編纂された。イラン人の口承文学への関心、戦闘、宗教・文化的狂信、言語と文字との移り変わりなどが、イスラーム以前のイラン文学の貴重な作品をなくした。ですから現存するイスラーム以前のイラン文学の文献が非常に少ないである。ただ古代イラン語の中でアベスタ語と古代ペルシア語による文献が現存している。
ハージェ・シャムスッディーン・ムハンマド・シーラーズィー、通称ハーフェズは、神秘のしたの雅号を与えられ、ペルシア文学史上、叙情詩の最高詩人と評され、イランの歴史上で才能に恵まれた稀有な人物である。幼少期のハーフェズは、イラン式私塾であるマクタブ・ハーネで聖クルアーンの大部分の章を暗誦でき、ハーフェズの100年ほど前に生きた同級の詩人サアディーが著した『薔薇園』(ペルシア語でゴレスターン)を何回読んだ。そして詩作を始めた。九歳のとき、聖クルアーンの全114章すべて暗誦できたので、聖クルアーンの全114章すべて暗誦できる者の意味があるハーフェズと呼ばれるようになった。その後、学問を求める人の列に入った。